サックス奮闘記 個人レッスン日誌ー夏編ー

SAX奮闘記ー個人レッスン日誌・夏編ー 第67日目 ~腱鞘炎~

https://tanetan.com/JazzyNight

2002年7月11日投稿

人生とはこういうものだ。特に「私」という人間の人生において。

発表会を明後日に控え、私の右手首には、試合前のボクサーの如く白い包帯が
ぐるぐる巻きに巻かれていた。

私の友達が勘違いしたように、これが左であればまさになにか思いつめて・・・と
見まごうほどのすごい巻き方である。

「腱鞘炎ですね。放っておくと、骨折れますよ。」

ドクターが笑顔で言い放った診断結果がこれだった。
このサイトでこう書くと、

「ほ~、発表会のために腱鞘炎になるほど練習したのね~」

と思われがちであるが実際はそうではない(キッパリ)。
(サックスの練習を多少必死でやった影響はなきにしもあらずだが)。

私の仕事はいわゆるデスクワーク、しかもPCに向かってひたすら打ち込む系が
昔っから多いのでいわゆる『職業病』である。
いつかはなる、そう覚悟はできていた。

数週間前の朝、ベッドから起きしな突然右肩に激痛が走り、次いで首の右側も。
それはほぼ一週間で自然に治まったのだが、次はなんと手首にきたのだ。

箸を持っても、二つ折携帯電話を開くのも痛い。←時代が・・・(;^_^A
果ては洗髪時にシャンプーボトルのキャップを押すのも痛い、と判明した時点で
とうとう医者に行くことを決意。

あいにく近所によさげな整形外科を知らず、仕方なくネットで探しまくって、
わざわざ電車にのって数駅先の整形外科まで行った挙句の果ての
診察結果が上記である。

さて、腱鞘炎となると、とにかく安静が一番である。
注射を打てば治りは早いらしいが、サックスのプロでもないし、
別にそこまでやらんでも・・・σ(^◇^;)

たかだか発表会である。いざとなったらキャンセルだって出来る。
私は注射を断り、湿布薬をいただいて帰ることにした。
そしてその結果、この包帯グルグル姿なのである。

いつも事細かに先生にメール等で報告していた私であったが、
今回のこの件はちょっと脅かそうと、レッスン当日まで秘密にしていたい( ̄ー ̄)ニヤリ

スクールに到着すると、まだ前のレッスンが押していたようで先生はいない。
仕方がなく受付の掲示板の貼り紙をしばらく眺めていると、
やがてドヤドヤと階下のスタジオからレッスンを終えた団体が階段を上がってきた。

T先生
T先生
うげっ!!な、なんじゃ、そりゃ??( ̄□ ̄;)!!

どこかで聞いたことのある声が叫び声となって背後から聞こえた。

私
あ、こんばんは(^-^)ニコ

T先生
T先生
こんばんは、じゃないっすよぉ・・・。
ど、どうしたんすか、それ??(・_・;)

私
あ、ああ、これですかぁ??
ふっふっふっ、ケン・ショー・エンです!( ̄ー ̄)ニヤリッ

T先生
T先生
うっそ・・・・・・・・・Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン

先生はかなり顔面蒼白である。ちょっと脅かしすぎたかな?
でも事実だもの。嘘じゃない。

T先生
T先生
発表会・・・どうします?痛いですか?

私
う~ん、どうしましょう???
マジで動かさなくてもちょっと痛いんですよねえ・・・

T先生
T先生
っていうか、今日のレッスン、どうします??大丈夫ですか??

なんか脅かしすぎたか。
あまりにも心配してくれる先生に対してちょっと申し訳なくなってきてしまった。

私
いや、レッスンは大丈夫だと思いますよ。 昨日ちょっとやってみたけど。
ただ低い音出すとき痛いんですけど・・・

T先生
T先生
わかりました。ちょっとだけやってみましょう。
痛かったらすぐにやめることにして。 様子みないとね

先生は意を決したようだった。

代表
代表
・・・っていうかさ~・・・、
それ、わざとなんじゃないのぉ???(-_☆)キラーン

スクールオーナーのI氏が鋭い突っ込みを入れてくる。

私
ち、違いますよぉ~・・・・・。し、職業病ですから・・・・。
もう嫌ですねえ、人聞きの悪い・・。

なぜか焦る私。お腹のなか、丸見えだったかしら(爆)。

スタジオに入って音だしをしていると先生がやってきた。

T先生
T先生
それって・・・サックスのせいですかねえ・・・(;'∀')

そういわれるとそうだとは言えないじゃないの!

私
いえ、違いますよ。職業病ですよ。ただ、今回の急な発表会のための練習で
少しばかり気合入れすぎたのがきっかけになってるかもしれませんが・・・

つくづく嫌味な女である。

T先生
T先生
でも、どうしましょうかねえ。やめときます?

そういわれると嫌だとはいえないじゃないの。

T先生
T先生
じゃあとりあえず様子みてみましょう(^▽^)
じゃあ、まず順番に、ゆっくりでいいですから音だしてみて。

真ん中のドから下に下がる。やはり一番したのレやドが辛い。かなり痛い。

T先生
T先生
やっぱりそのあたりですよね・・・・。じゃあ上にあがって・・・・。

上のほうは大丈夫である。が、本体を押さえている右手の親指が辛い(-_-;)。
その旨を先生に告げると、立って演奏する場合の姿勢について、改めて説明をしてくれた。

私
とにかく、もっともっと力抜いていいですから・・・。
ぐわっと掴んでてもいい音はでませんよ。
私
わかってるんですけどねぇ・・(・_・、)。
一生懸命吹こうとするとどうしても・・・
T先生
T先生
気持ちはわかりますが、ブレスの時力を抜くことを意識してみてください
あと、左手だけで 吹く練習もしてみてください。
ちょうど右手が使えないのですから、いい機会かも♪
正しい姿勢でちゃんとサックスが正しい位置にないと、
片手だとアンブシュアがずれちゃいますからね。

この曲を演奏してる間にもチャンスがあれば、
右手を下に下ろしてブラブラっとさせてみてください。
それができれば全身力抜けてる証拠ですから♪
使っていない方の手が離せないとしたら、
余計な力が全身に入ってるってことですよ!

じゃあそのあたりを意識して吹いてみましょうか?

先生の演奏を見たあと、自分もやってみる。
先生はあんなにブラーっと右手を振り回したりする余裕が
あったのに、私はガッチリ掴みまくりである。親の敵のように。
あほか・・・・。

気持ち離そうとはしてるのが先生にはどうにか伝わったらしく、

T先生
T先生
まあこれも慣れですから(^_^)。曲を覚えて、次にどの音を出すのかが
頭に入ってれば出来る技でもありますしね

そんなことをいくつかやってみた。
生来真面目な私は(爆)ついつい先生の熱心な教えに答えようと、
腱鞘炎であることを忘れてかなり頑張ってしまったようだ。

T先生
T先生
まあ様子みるに、どうにかいけそうですね。前から言ってますが、
「発表会」といっても要はただの飲み会ですよ(^_-)-☆。
お酒一杯飲んで酔っ払ってしまえば結構うまくいくかもしれないし、
そもそもみんな人の演奏なんて聴いてないかもしれないし。
大丈夫、大丈夫♪最悪当日キャンセルしても、
演奏短くしちゃっても 構いませんから(o゚▽゚)oニパッ

なんとなく乗せられてしまって、先生の思惑にハマってしまってるような気がするのは
気のせいかしら・・・
ま、いいか・・・ドタキャンすればいいんだよね・・・いざとなったら・・・
明日病院いってもう一回ドクターと相談してこよっと。

  • この記事を書いた人

たねたん

JAZZ好き元ライター。『たねたん・どっとこむ』内でのかつての人気コーナー「Jazzy Night」「サックス奮闘記」を現在こちらに鋭意移築中。Sonny Rollinsが一番大好き。最近はライブで生音浴びてないのが悩み。 ※Amazonのアソシエイトとして、当メディアは適格販売により収入を得ています

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