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三都物語ミステリーツアー『第二章』
1999年12月2日(木)

『ホテルモントレ神戸』は、三宮駅まで徒歩5分強の個性派ホテル。
できた当初は女性に大人気で、過去に私も3ヶ月先まで予約一杯で泊まれなかったことあり。
やっと今回、その時の無念を晴らせた訳である(笑)。いかにも女性が好みそうな、
「北方イタリアロマネスク様式を再現した(パンフレットのまま)」建物のお部屋は、
シングルだと\8,000と、神戸にしては格安。駅にも近いし、なかなかよろしい。
小さいホテルながら、同じ建物内にフィットネスジムも備え、
ワシントンホテルと隣接しているため、小型ホテルの木目細やかなサービスと
大規模ホテルの便利さが同時に味わえる格好になる。

うっかり寝坊して、ホテルのモーニングには間に合わず、隣のワシントンで珈琲を飲む。
さあ、今日はどこにいこうか?天気があまりよくない。降ってくるかなあ・・・??

とりあえず、夕方までには京都にいかなくては。
昨晩中に京都の友達(本当は現在は大津在住)にアポをとり、今晩つきあってもらう約束をした。
梅子にしても、この友達にしても、なんの前触れもなくいきなり東京から押しかけられて、
ご本人達にしてみれば本当に大迷惑な話なのだが、今回は我慢してもらおう!
遠慮してたら楽しい旅は成り立たない。今回は無礼を承知で甘えさせてもらうことにした。
だって、旅って、自分のやりたいように気持ちいいことすればいいのだ。

珈琲を飲みながら、事前に購入済み(元々神戸にいく予定があった)のガイドブックを眺め、
とりあえずぶらぶらトアロードを新神戸駅まで散歩しながら北上することにした。
本当は海にでて神戸港遊覧船にでも乗りたかったのだが、なんせ天気が悪い。
あと、線路の下で下敷きになってしまったガード下のお店の数々の現在を
是非ともこの目で確認しておきたかった。
東京じゃ絶対に売ってない明るいデザインの靴やバッグの店が数多くあったのだ。

が、しかし、私の心配は幸いにも杞憂に終わった。
ガード下の補強され具合が当時の震災のものすごさを物語ってはいるものの、
懐かしいお店の数々は、より一層パワーアップして同じ場所に存在していた。
ほっと胸をなで下ろし、トアロードを北に向かった・・・・・はずだった。

暫く通り沿いの店を冷やかしながらどんどん進んでいく。
多少天気が悪いものの、この位の気温のほうが歩いてて爽やかだ。
ふと目の前に、大丸百貨店が見えてきた。
(あ、ベンチがあるから、一旦あそこで方向確認しよか・・)
大丸前のおしゃれなベンチに腰掛け、おもむろにガイドブックの地図ページを開く。
神戸出身、または神戸に詳しい方なら既にお察しのことであろう。(^-^;
そう、この時点で、既に私は真反対に向かってなんの疑いもなく、
ガンガン突き進んでいたのである。「あ、あれぇっ??」
目をあげると、トアロードの入り口(もしくは出口)のような看板。
こ、ここはもしかしたら・・・・・・・・・・・・・・(汗)
慌ててこのあたりに詳しい友達にSOSを携帯から送る。帰ってきた答えは・・


「新神戸駅いくのに、なんで海に向かってるの?^^;」

そうだった。方向はどうあれ、私はトアロードを明らかに「下って」いた。
楽しい気分でふらふらっとしてたので、今の今まで気づかなかったが、
確かに私は坂を下りていた。トアロードの入り口から今来た方向を眺めると遠くに山が見えた。
またやってもうた・・・・(^-^;>"ほんと、ビョーキやね、私ってば・・・(涙)

気を取り直して今きた道をさっそく逆行する。こういうハプニングも旅のエッセンスよ!!(はぅっ)
せっかくのことなので、じっくり観察しながらいくことにした。急ぐ旅じゃなし。
すると、あることに気づいてしまった。もしかしたらこれは地元の方々の間では
既に語り尽くされているのか、それとも気づいていないのか・・(そんなこたぁないっしょ)
さっきから書いてる「トア(−)ロード」、英語で書くと、「TOA ROAD」と書いてる看板と、
「TOR ROAD」と書いてる看板の二種類が存在している。由来もなにもわからないので、
どっちが正しいんだろう??お店の名前にも、両方使われている。
A型の私としてはキモチワルイっ!どっちかハッキリしてや〜〜!!(どっちでもいいんだけどね)

どうでもいいことをめちゃくちゃ気にしながら歩いていると、
あるコンビニの前に面白いごみ箱発見。
しゃれた下手ウマ系のイラストとともに326のようなお言葉が記されてあった。
『人生一度きり。だったら好きなことやって生きていこうや!どうせたった数十年のことやし。』
その通り!今回の旅のテーマはまさにそれっ!とひとりで感激し、是非写真を・・と構えたら
コンビニの店員にけげんそうな顔で睨まれてしまったので、残念ながら写真を撮れませんでした。
ごみ箱に教えられて感動してる私って一体・・・・??(^-^;チョット、疲れてるかしら、私??

トアロードをガンガン上っていくうちに、徐々に汗ばんでくる。天気はかなりよくなってきた。
気づけば、こんな革のジャケット来てる人なんて周りにひとりもいない。
かなり大きいデジカメを持ってるので、ちょっと見カメラマンっぽく見えなくもないけど。(笑)
中山手通の交差点で友達に連絡をし、有力な神戸情報をゲットする。
こうなりゃ使えるものはなんでも使うでー!目の前の綺麗な紅葉の山をみて、益々そう誓う私。(^-^;
(もっと早く気づいとけ>私)

途中、『マル十』というお肉屋さんで、ボローニャソーセージを買って家に送る。
ガイドブックに「お勧めのお土産」として載っていた。待ち合わせをブッチギッた母へのお詫び。
が、どうみても町中のお肉屋さん。ほ、ほんとうに美味しいんかなあ?と不安がよぎる。
しかも結構なお値段。まさか1本だけ東京に送る訳にもいかず、数本買ったらびっくりする値段。
ちょっと後悔。さっきあった『デリカテッセン』のハムのほうがよかったかもぉ〜。
(注:味はまあおいしかったです。祖母が「昔食べた味だわー」と言って喜んでたので、
ご年配へのお土産にはいいかも。柔らかいサラミのようなソーセージ。でもボローニャにはないぞ(笑)。)

パールストリートを右折して、北野坂へ向かう。
このあたりはとても大きなムスク(回教教会)があり、そのためエスニックなお店が多い。
そしてすこしいくと、カトリック神戸中央教会が。神戸でミサに預かって思い出に。。。なんて
軽い気持ちで向かったが、そこにお御堂らしきものはなく、広々とした広場で
大勢の労働者風のおじさん達を相手に炊き出しをやっていた。
震災で崩れて以降ずっとそのスタイルでボランティア活動をやっていたのだろう。
興味はあったがとても観光客の入り込める雰囲気ではなかったので、今回は残念ながら通過。

北野坂にとうとうきた。まさに神戸のイメージそのもの。
街路樹のイチョウの葉が強めの風に舞い、とてもローマを彷彿とさせる一帯だ。
そろそろランチタイム。朝食はコーヒーだけだったので、結構空腹。
やはりここは神戸牛。神戸牛使用をうたったハンバーグ屋さんが多いので、どこかにはいろうとしたところ
友達が薦めてくれてた『にしむら珈琲店』を発見!
とりあえず珈琲だけでも、と蔦の絡まる素敵な雰囲気のお店にはいったところ、
笑顔で出迎えてくれたお姉さんが「お食事ですか?お茶ですか?」と。お食事できるのぉ??
でも珈琲屋さんでお食事なんて、カレーと相場が決まってるし・。神戸牛のカレーならいいか。
「お、お食事で!」二階に案内されてまたびっくり!正真正銘のフレンチレストランだ、ここ・・

こんな格好でふらっときてよかったんだろうか?(汗)
昨晩も「キレイな格好でいける店はよしてねー。着の身着のままできちゃったからー」と
梅子にスペシャルリクエストをだしてわざわざカジュアルなお店に行ったというのに・・。
幸い、お客は私以外に、これまた女一人旅の名古屋からきたおばさま。ま、いっか・・・。
メニューをみて、本当にフレンチレストランであることを認識(おおほ)。
昼からコースという気分でもなかったので、とりあえず「神戸牛の赤ワイン煮込み」を
単品でオーダー(*^.^*)。
だのにウエイターはコースのテーブルセットを始める。
「す、みません・・・・コースじゃなくて申し訳ないんですけど、単品でお願いしたんですが・・」
だから恥かかせるなっちゅーの。ただでさえびくついてるのにぃ・・。
いただいたお料理は◎。単品で大満足。もちろん最後に珈琲飲みましたけど。
お箸でもいただけそうなくらい柔らかく煮込んだ牛肉と、付け合わせの野菜たちが
まったくくどくないソースで一体となって・・。よくある「赤ワイン煮込み」とは趣を異にする出来栄え。
聞けば、にしむら珈琲は神戸牛のお店も何軒かだしてるのでした。納得、ナットク。

昔何度かきた異人館はやり過ごし、まっすぐ次の目的地へ。
(実はこのあたりに、いつもきてたフレンチのお店があるんだけど・・・うふふ、ナイショ!)
次の目的地・・・・それは、新神戸駅裏の『布引ハーブ園』
かなりいいロケーションにありながら、観光客には意外と無視され続けているであろうここ。
実は神戸港が一望できる抜群のロケーションであることを私はこっそり昔から推察していて、
いつか行ってやろう、と思っていたのだが、友達同志だとなかなか来れなかった。
なんで神戸まできてハーブ園やねん!と怒声が聞こえてきそうだったし(^-^;
前回の『しまなみ街道ツアー』でもそうだったが、旅にでるとつい高い場所へ上りたくなる。
○鹿はそういう場所が好きだ、と昔から言われておりますが・・・(とほほ)

布引ハーブ園へは新神戸ロープウェーにのって(往復1000円)。
ロープウェーからの景色だけで既にかなりいい眺望!デジカメで思わずこの景観を撮影しまくる。
思った通り!しかも今は紅葉の季節で最高にいいかんじ。ひとりでこれを眺めるのは本当に勿体無い気がした。

頂上駅について、土産物屋を冷やかしたり、香水博物館でちょっとお勉強したり。
人がめちゃくちゃ少なくて、すごいのんびりできる。穴場のデートスポットじゃないのかな?
だって、絶対夜景は最高やし・・。ロープウェーは夏と春・秋の土曜日なら21時までOK。
ちょっぴり一人でそこに存在してる自分が寂しくなってきた(T.T)。
・・・・と思ったら、雨がポツポツと・・・・。心の雨が本当の雨を呼んだ?!(笑)

夕方の京都での待ち合わせに間に合うように新幹線に乗る。
意外と本数ないのね、新神戸駅にとまる新幹線って・・・・(^-^;
京都駅について、さて、宿探し。新しく大きくなった京都駅の真上にそびえたつ「ホテルグランヴィア」。
高そうだけど、こんな時しか泊まれないやろー、と電話してみたら
「シングルはやっておりません」とツレナイお返事。ツインのシングルユースの値段を言うこともなく切られた。
いいロケーションだからって態度デカスギルぞぉ、ホテルグランヴィア!!(怒)
その冷たすぎる電話の対応にどっと旅の疲れがでて、もう自分で宿探しをする気力を失った。
ガイドブックとかのホテル情報も手元にないしなぁ〜。で、仕方がなく旧国鉄さんのお世話に(笑)。
結局時々泊まる、京都駅真裏徒歩2分の「新・都ホテル」へ紹介手数料550円で予約。やれやれ・・・。
そこやったら、自分でいって飛び込みで部屋とったわ・・・・(涙)だっさ〜。

かつて知ったる宿に早々にチェックインを済ませ、元同僚の「ともちゃん」と合流。
今は大津市に住んでおられるけど、生っ粋の京都娘。
私の京都旅行をいつも強力にバックアップしてくれはります。(感謝!)
そう、私は京都が大好きなのだ。かつては京都の人と結婚したい、と思ったほど(わはは)。
毎年、桜の季節か紅葉の時期にはできるだけ訪れるようにしてます。
去年は珍しく一度もこれなかったので、とってもとっても来たかった!
でも、京都も奥が深いので、知人がいるととても助かります。
今夜のディナーも、さっそくともちゃんが既に予約済み。なんて接待上手なんだ!(ウルウル)
京都人のおもてなしの心を感じる一瞬。(^-^)

連れていっていただいたお店は『豆水楼』という豆腐料理専門店。
ギャーっ、なんで湯豆腐食べたいってわかったのぉ??京都=湯豆腐というイメージはあるけど、
普段はそんなに食べたいとは思わないので、いつも違うものを食べるんだけど、
今回はなぜか(湯豆腐食べたい・・)と密かに思ってたのです。電話の声にでてたかしら(*^.^*)
電熱線を仕込んだ風呂桶のような容器にぷかぷかと浮かぶ湯豆腐に舌鼓。
豆腐以外のお料理もとてもおいしく、京都にきた実感がじんわり。
その後、駅へ戻って、憎たらしいホテルグランヴィアの展望バーにいき、
女二人で夜景をみながらカクテルを味わった。う〜ん、最高な気分!
ともちゃん、どうでもいいけど、君が観光客のフリして地元の人に接するのはやめようよ。
可笑しすぎて、めっちゃ辛かったわ〜(爆笑)。遅くまでつきあってくれてありがとう!

  

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